感染根管治療(上顎小臼歯部)
根管治療2017.10.30
60代女性
主訴:右上の歯茎が腫れて、噛むと痛い
とのことでした。レントゲン写真では、左の初診の状態では根尖部に境界明瞭な透過像(黒い影)がみられ、頬側の歯肉には腫れと疼痛を認めました。根管(神経の管)は2根に分岐しているようにみえましたが、マイクロスコープ使用し、拡大視野下で根管を拡大していくと、一本の管に繋がりました。根管内のイスムス(分枝部)の起炎因子(細菌巣)が問題であったかもしれません。
術後一年のレントゲン像では根の先の病変(黒い影)は消失しています。精密な被せ物を装着し、よく噛めるようになりました。被せ物の適合が予後を左右することもあります。
抜髄時(神経を取り除く)の拡大不足、消毒・洗浄不足が根管への感染を招くかもしれません。
根管治療に関して、必要にして十分な機械的拡大・根管内消毒による、バクテリアリダクション(根管内の細菌の減弱)が大事になります。